靴の作り方、靴の道具の使い方、靴制作のヒントなど、自分で靴を作りたい人向けのブログです。

外羽根式1-5:釣り込み

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「釣り込み」
乱暴に言うと、「釣り込み」とは、革を引っ張って木型に密着させる作業です。
しかしながら、「釣り込み」=「革を引っ張る」ではなく、正しくは、

「釣り込み」=「革を縮める」その為に「引っ張る」です。
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どういうことかといえば、例えばゴムテープがあったとします。
両端を掴んで引っ張れば、その方向へはビヨ~ンと伸びますが、テープの幅は縮むはずです。
この縮みを利用したのが釣り込みで、縮むからこそ革の余分な部分がなくなり、木型に密着していくのです。

同様に、たとえゴムだとしても、引っ張りつづければいずれは千切れます。
なので、縮み切っている部分をいつまでも引っ張り続けても、革は裂けるだけで何の意味もありません。

また、縮めば縮むほど元に戻ろうとする力が発生するので、場合によっては木型を抜いた後に型崩れの原因にもなりえると思います。もっとも革には可塑性があるので、それほど顕著ではないでしょうけど、理屈で言うならありえることです。

更にまた、革(に限りませんが)は引っ張れば縮む他、薄くもなるし(厚み方向へ縮み)硬くもなります。
硬くなるということは、せっかくの革の風合いを殺すことにもなりかねません。

ただ力任せに革を引っ張ることに、あまり意味がないことは理解できたかと思いますが如何でしょう?

そうは言っても、どうしても沢山縮めなければならない時も出てきます。
そんな時はどうしたら良いのでしょう?

例えば、10の革を6にしたい。つまり4縮めたいとします。
この時、一度に引っ張って4縮めるのと、2の力で2回縮める。或いは1を4回縮めるのとでは、同じ4縮めるにしても、革の状態はそれぞれどうでしょうか?
つまり、釣り込みの釘は何本使っても構いません。大きく数回で釣り込むのではなく、小さな山を沢山作り、できるだけ革に優しく、負担を掛けないで釣り込む方が、結果的には綺麗な靴になるような気がしています。


靴は踵や爪先のように硬く仕上げる部分と、足の間接付近など出来るだけ柔らかくしたい部分などがあります。これらの部位に求められる性能を引き出すためにも、革を引く力や方向を適切にコントロールすることが大切で、機械のように一度にガッチャンと釣るのではなく、まさに手加減で釣り込むのがハンドメイドの勝る点だと思います。

形にするだけなら案外簡単なことかもしれませんが、実は内容が大事なんですな!


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「先芯」
つま先に入る芯のことです。
先芯の材料には、床革、銀付き、溶剤系(画像)、熱塑性系など色々な種類があります。
それぞれ一長一短があるとは思いますが、今回は溶剤系先芯を使用しています。
その先芯はドライの時はただのシートですが、溶剤(シンナー等)につけると柔らかくなり、綺麗に釣り込むことが出来ます。
乾燥後は硬化するので、もし釣り込んだときにシワが出来てしまったら、硬化するまで待ってサンドペーパー等で均すと良いです。


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「月型(カウンター)」
踵芯。市販の物は何枚かの床革が張り合わせてあるものが多いです。
そのまま使うと厚すぎるので、適宜漉いてから使います。外周は0mmに漉かないと、釣り込んだ時に段になるので慎重に。
水を染み込ませ、柔らかくしてから使いますが、水気が多すぎると踵にシミを作りますので、表面が湿っているかなぁ程度で充分です。
画像左が表側になるようにアッパーにセットします。(こちら側は漉かないこと)

今日は少し長くなりましたけど、このへんで。。。

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カテゴリ アッパー作成・釣込み

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